2016年5月2日月曜日

チャンキングを使った記憶テクニック

マジカルナンバー7

かつてアメリカの心理学者ジョージ・ミラーは実験により人が短期記憶として一度に覚えられる情報の数は7±2であることを見つけました。これは”マジカルナンバー7”などとも呼ばれています。他にも幾つかの見解があるようですが、私も個人的にそのぐらいだと感じています。いずれにせよ短い期間に蓄えることができる情報の量はそんなに多くないということです。この短期記憶に対して長期間蓄えておくことができる記憶を長期記憶と言いますが、この長期記憶に至るには短期記憶を経る必要があります。ということはつまり短期記憶の時にたくさんの情報を頭に入れることができれば、多くの情報を長期記憶に移すこともできるということになります。しかし冒頭のマジカルナンバー7の件があります。この数が増やせないとすればどうすれば良いのか?それを可能にするのが”チャンキング”というテクニックです。


チャンキングとは
 チャンキングとはもともと心理学用語で個別のばらばらな情報をそのパターンの類似性などに基づいてより大きな情報の塊にしたり、構造化し圧縮するといった過程のことを指します。まあ簡単に言うと、一見ばらばらで何の関連性もない情報を何かしらの共通点を見つけてグループにするといったところでしょうか。これはまさに記憶術の考え方そのものです。

今、短時間で覚えようとする情報がA,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,Lと12個あったとします。マジカルナンバーからすると一度に覚えられる量を超えています。しかしそれぞれに何かの共通点を見つけることができたとして、それらを(ABC),(DEF),(GHI),(JKL)とグルーピングできたらその数は4個となりマジカルナンバーに収めることができます。

私が選手として関わってきた”記憶競技”の種目の中に「二進数の記憶」というものがあります。二進数とはご存知の通り0と1だけを使った数の表し方です。この二進数の種目は問題用紙にランダムに0と1が並んでいて、制限時間でその並びを覚えるといった競技です。例えばこのように

 111011100001010101110

と0と1が並んでいるとします。全部で21個の0と1がありますがこれを覚えるのは大変です。我々記憶競技の選手たちはこれらをまず馴染みのある十進数に変換するのです。ここでは3桁ずつ分けて十進数にすると

(111)→7
(011)→3
(100)→4
(001)→1
(010)→2
(101)→5
(110)→6

となり21個あった情報が7つに圧縮されたことになります。この7つの数字を覚えていることができれば今度は二進数に変換することにより21個の情報が記憶できたことになります。


情報のパターンを見つける
二進数などは特殊な例ですが、これ以外に記憶のテクニックでチャンキングを使用する時にはどうすればよいでしょうか。それには一見何の関係もないようなバラバラの情報の中から共通のパターンを見つけ、またそれらを何か覚えやすくなるようなものに変換したりする必要があります。

例えば、「ヤギ、サイ、イヌ、カバ、ウシ、ゾウ」これらの動物を覚えなければならないとします。そこで覚えやすくなるように何かのパターンを探すのです。するとそれぞれの頭の文字だけをつなげるとある文章になることに気づきます。

「ヤ、サ、イ、カ、ウ、ゾ(野菜買うぞ!)」

このようにパターンを見つけて意味のある覚えやすい形にすることが記憶術のチャンキングです。授業で化学を取った人は心当たりがあるかもしれません。原子記号の配列です。「H,HE,Li,Be,B,C,N,O,F,Ne・・・(水兵リーベ僕の船・・・)」あれもまさに語呂合わせを使ったチャンキングの一種ですね。


チャンキングを使って徳川将軍を覚えてみる
ここでチャンキングの手法を使って徳川の将軍15人を覚えてみましょう。

家康(いえやす)
秀忠(ひでただ)
家光(いえみつ)
家綱(いえつな)
綱吉(つなよし)
家宣(いえのぶ)
家継(いえつぐ)
吉宗(よしむね)
家重(いえしげ)
家治(いえはる)
家斉(いえなり)
家慶(いえよし)
家定(いえさだ)
家茂(いえもち)
慶喜(よしのぶ)

 ベストというわけではありませんが私が考えた一つの例を挙げてみます。
初代の家康と最後の慶喜は有名なので覚えられると思いますのでこれらは除外してそれ以外で作りました。

秀忠(「ひ」でただ)
家光(いえ「みつ」)
家綱(いえ「つ」な)
綱吉(つな「よし」)
家宣(いえ「のぶ」)
家継(いえ「つぐ」)
吉宗(よし「む」ね)
家重(いえ「し」げ)
家治(いえ「は」る)
家斉(いえ「な」り)
家慶(いえ「よ」し)
家定(いえ「さ」だ)
家茂(いえ「もち」)

 『秘密、剛の仏具、虫、花、良さ、持ち』(剛君の仏壇が花と虫の彫刻で良さが長持ちしているのは秘密です。)

これ以外にも何かパターンが見つかりましたでしょうか?
それぞれの名前に使われている漢字を使ってストーリーを作って覚えるのも良い方法だと思います。もっと良い覚え方が見つかった人は是非教えてください!
 
今回お伝えしたこのチャンキングですが、このように覚えたいもののグループに何らかのつながりを見つけようとしたり意味のあるものにしようとしたりすること、つまりパターン認識のトレーニングをすることは、それ自体が脳のトレーニングにもなり創造性も高めてくれます。 ご自身の学習に是非チャンキングの手法を活用してみてください。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。 さらに記憶の技術について学習したい方、MDA では無料講座も開催しておりますのでよろしくお願いします。


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http://www.mdajapan.com

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2 件のコメント :

  1. 天才村木の勉強道場
    http://tensaimuraki.hamazo.tv/
    チャンキングのネタをいろいろ出しています。ぜひ、お読みください。

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  2. 天才村木の勉強道場
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