2017年3月20日月曜日

英単語学習のアプローチ②


単語帳の進め方には鉄則がある

以前、英単語学習のアプローチとして英単語記憶のコツをお伝えしましたが、今回はその2回目として”単語帳”を使った英単語学習についてのお話をさせていただきます。

英単語の学習法は多々ありますが、やはり王道といえば単語帳を使った学習ではないでしょうか。皆さんそれぞれ自分なりのやり方で進めているとは思いますが、ここでは記憶の観点から効率の良い単語帳学習の進め方についてお伝えしたいと思います。

まずは1単語⇔1意味
ほとんどの英単語帳は中を見るとひとつの英単語につき3つぐらいの日本語の意味と他の品詞の形、または類義語や反対語などの情報が載っています。これらを全て覚えながら暗記を進めるのはNGです。

その理由としてまずはメンタルの影響があります。この進め方だと英単語学習のモチベーションをキープするのが大変なのです。単語帳に収められている単語数は1000個を超えるものがほとんどです。さらに複数の意味などの情報を加えると覚えなければならない情報はその数倍にもなります。それに対して、ひとつの英単語に載っている全ての情報を覚えてから先に進もうとすると、その学習のペースは遅々として進まないことでしょう。すると途中でこんなに頑張っているのにまだここまでしかきていないのかという気持ちが生じ、心が折れそうになってしまうのです。

ですからまずはひとつの単語につきひとつの意味だけを覚えていきましょう。
それに最終的には単語帳に載っている全ての情報を覚えるのが理想ですが、それ以前にまずは基礎となる語彙力をつけて、なるべく早く英語力の土台を作る必要があるのです。
複数の意味が載っている場合その順番は重要度の順番になっているはずです。まずはよくばらずに一番重要な意味さえ覚えてしまえば、それが語彙力の土台になってその後の英語学習の習得スピードを加速させることにつながるのです。

優先するのはスピード
上でひとつの英単語につきまずはひとつの意味を覚えていくと書きましたが、ひとつの意味を覚えていく時にも気をつけなければならないことがあります。

それはじっくり進めないこと、つまりスピードを最優先して進めていくということです。
「よし100%覚えた!」と確信して、それを積み重ねていくような進め方はお勧めしません。それぞれの意味の記憶が20%ぐらいだとしてもスピード優先で先に進むのです。
その理由は学習の進度が早いのですぐに達成感が得られることです。これによりモチベーションをキープすることができます。

でも、それぞれの単語の意味の記憶が20%ぐらい、つまり記憶がそんなに薄い状態で本当に大丈夫なのかと、いぶかる人もいるでしょう。
しかしこの進め方が脳の記憶の仕組みに照らし合わせると理にかなっている方法なのです。

脳の記憶の仕組みには『分散効果』というものがあり、じっくり一度で作った記憶よりも薄くてもそれを何度も重ねて作った記憶の方が長く後々まで残るという性質があるのです。イメージで言うとペンキを塗り重ねていくようなものです。そのように作ったものが強い記憶となるのです。ですから1回ではその記憶量は10%や20%のように低くてもかまわないのです。

いかに早く単語帳全体の1サイクルを終わらせそれを繰り返して覚えていったほうが最終的にいつまでも残る記憶になるのです。

こうしてまずはひとつの英単語につきひとつの意味を覚え、その後同じようにスピード優先の進め方で2番目の意味、3番目の意味さらに他の品詞の形、類義語、反対語と進めていくのです。

記憶に爪痕を残す
ひとつの英単語につきひとつの意味、そしてスピードを優先して暗記を進める。ここにさらにある要素を加えると記憶の効率がアップします。

いくらスピード優先で進めろとはいえ、ただ眺めているだけではさすがにほとんど記憶に残りません。スピードは落としてはいけないのだけれど、何か少しでも記憶に爪痕を残すようにしたいのです。

記憶力をアップさせる条件のひとつに「感情」を利用するということがあります。
何らかの感情が伴った記憶は頭に残りやすいという性質があるのです。
ただ「感情」といってもそんなに大げさに考えなくてよいのです。
強いて言えば「何かに気付きながら覚えていく」とでも言いましょうか。

例えば日本語のカタカタになっている言葉「アレルギー」「テーマ」「ビタミン」などは英語では「アラジー」「スィーム」「ヴァイタミン」というように発音が全く違うことに”気づく”とか、接頭語が「con- 」や「de-」だからこういう意味になるんだなと”納得”するとか、または「incur(損失を受ける)」という単語があるのですが、これなどは読みが「インカー」なので「インカ帝国が損失を受ける」などといったゴロ合わせを作るのも一つの手です。
このようにちょっとしたことでも感情は動くので、これらを意識して単語学習を進めていくことによって記憶の定着率が変わってきてさらに学習の効率がよくなります。


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3 件のコメント :

  1. 『脳にまかせる勉強法』を購入させて頂いたものです。大変参考になりました。
    「3サイクル反復速習法」で理系(化学)の勉強をしようと思っています。

    「3サイクル反復速習法」のことで、2点疑問に思ったことを質問させてください。

    「1サイクルを3回繰り返しながら勉強を進めていく」とは、
    その日の例えば1時間のうち、最初の2分で①ページ目が読み終わったらすぐ①を読み直し
    次に②に行き①に戻り、
    というようにその日の短時間のうちに繰り返す、という言葉通りの認識で間違いないでしょうか?
    この場合約10分で①を3回読むことになりますが間違いないでしょうか?
    それとも1セットを3日に分けてという意味でしょうか?
    こんな短時間で繰り返しても忘れてなくて効果はないのではと思い、質問させていただきました。

    また、全体を大きな4範囲に分けたうえで、その1範囲をさらに3サイクルで反復速習法で
    学習するとします。
    この場合、
    [範囲1]1回目(3回学習)、2回目、3回目
    →[範囲2]1回目(3回学習)、2回目、3回目
    →[範囲3]1回目(3回学習)、2回目、3回目
    →[範囲4]1回目(3回学習)、2回目、3回目
    といった風に学習すると、範囲3のころには範囲1をかなり忘れてたりすると思うのですが、
    こういう場合は4まで行く前にまた1を何回かすべきでしょうか?
    それとも薄い記憶を繰り返すという意味で1-4までこのペースでやった後にさらに、
    といった感じですべきでしょうか?

    よろしくお願いします。

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    1. h2oさん、拙著をご購入いただきまして有難うございます。

      ご質問に関してですが最初の質問に関してはh2oさんが最初におっしゃった『「1サイクルを3回繰り返しながら勉強を進めていく」とは、その日の例えば1時間のうち、最初の2分で①ページ目が読み終わったらすぐ①を読み直し次に②に行き①に戻り、というようにその日の短時間のうちに繰り返す、という言葉通りの認識』で間違いありません。

      次の大きな範囲に分ける場合ですがその場合でもイレギュラーな形をとらず本書の中のサイクルで進めることをおすすめいたします。

      本書ではまずは教材1ページずつこのサイクルで進めるようにありますが、その教材のページのなかの文字数や難易度などにより、2ページでひとつのまとまり、あるいは5ページをひとつのまとまり、といったように範囲の量をご自身で調整されることをおすすめいたします。

      いずれにしましてもこの速習法のメーンの目的は
      1、なるべく早く学習範囲の全体像を把握し学力の骨組みを作る。
      2、忘却が落ちすぎないうちに復習する。
      3、薄い記憶を重ねて強い記憶にする。
      というところにありますのでぜひそれをふまえてh2oさんに合うようにカスタマイズしていただければと思います。

      h2oさんが勉強において良い成果を得られますことを心よりお祈りいたします。
      有難うございました。

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  2. 池田さん、はじめまして
    私、現在医学部に通っている、長年効率の良い勉強方法の模索をしながら苦悩していた者です。
    私自身、家庭教師としても働いており「脳にまかせる勉強法」は長年の勉強方法に対する悩みに明快な答えが見つかったような感覚を覚えました。
    勉強法に関する本は、ピンからキリまで様々に乱立している中で、ここまで目に見える効果が出る本は初めてだったので、本当に感謝してもしきれません。

    質問があるのですが「3サイクル反復速習法」はいわゆる数学等の理系科目でも効果が期待できるものなのでしょうか?
    医学書のような文系(暗記)科目に効果てきめんなのは実証済みですが、よりアウトプットが重要となる数学や化学等の解法暗記を、インプットのみで済ますことに不安を感じています。
    「1分間ライティング/マッピング」まで利用して解法暗記をするのであれば、その「理系科目への応用方法」を教えて頂けないでしょうか?
    教え子への指導に活かしたいと考えています。

    ご多忙だということは重々承知していますが、良かったら返信頂きたいです。よろしくお願いします。


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